花札・ こいこい 用語集
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こいこいには独特の用語がたくさんあります。親(おや)は札を配って最初に打つ人、役(やく)は点数になる札の組み合わせ、勝負(しょうぶ)はその回を終えて得点する宣言、そしてゲームの名前にもなったこいこいは、さらに点数を狙って続ける宣言です。この用語集では、こいこいと花札の用語58語を、読み方とあわせて解説します。
用語は分野ごとにまとめ、五十音順の索引も付けました。札と役の名前はこのゲームの表示に合わせています。点数は、昔ながらの単位「文(もん)」ではなく「点」で書きます。実際の流れの中での使われ方はこいこいのルールで確認できます。
こいこいの基本用語
毎回の対戦で使う言葉です。ゲームの名前、宣言、2人のプレイヤーの呼び方をまとめました。
- 花札(はなふだ)
12か月の草花を各月4枚ずつ描いた、48枚一組の日本のかるたで、「花かるた」とも呼ばれます。札に数字はなく、描かれた花で月を見分けます。2人で遊ぶこいこいは、任天堂が「花札で一番有名な遊びかた」と紹介している遊び方です。
- 月札(つきふだ)
同じ月の4枚の札のことです。ルールによっては、その回戦と同じ月の札4枚(第1回戦なら1月の松)をそろえると4点になる役「月札」があり、主に12回戦で遊ぶときに使われます。このゲームにこの役はありません。
- こいこい
役ができたあと、勝負せずに続けるときの宣言で、ゲームの名前にもなっています。語源は「来い来い(もっと来い)」という掛け声で、同じ「こい」と読む「恋」や「鯉」とは関係ありません(「恋恋」と書くのは誤りです)。カタカナで「コイコイ」と書かれることもあります。
- 上がり(あがり)
役を作ってその回を終えることです。「勝負」と同じ意味で、こちらを使う人もいます。
関連:勝負
- 役(やく)
点数になる札の組み合わせのことで、猪鹿蝶(いのしかちょう)や五光(ごこう)などがあります。こいこいで点数になるのは役だけで、札そのものの点数(20・10・5・1点)は花合わせなどの遊び方で使います。
- 親(おや)
札を配り、各回で最初に打つ人です。最初の親は札を1枚ずつめくって月の早い札を引いた人(このゲームのオンライン対戦ではコイントス)で、その後は各回の勝者が親になります。先に場札を取れるため、有利とされています。
- 子(こ)
親ではない方のプレイヤーで、親の次に打ちます。「親」に対して「子」と呼びます。
関連:親
場札・手札・山札など
1回戦の中で48枚の札が置かれる場所と、その呼び名です。
- 場札(ばふだ)
場に表向きで並んでいる札のことで、単に「場」とも言います。各回の始めに8枚を配ります。手札から出した札や山札からめくった札に合う札がなければ、その札も場札に加わります。
- 山札(やまふだ)
配ったあとに残る、裏向きの24枚の札です。手札から1枚出したあと、その一番上をめくります。ひとつの回の手番は2人合わせて最大16回なので、少なくとも8枚はめくられないまま残ります。
- 取り札(とりふだ)
合わせて取った札のことで、表向きにして自分の前に並べ、相手からも見えるようにします。点数になるのは取り札でできた役だけで、札そのものの点数は数えません。
- 場三(ばさん)
場に同じ月の札が3枚出ている状態です。その月の残り1枚を出すかめくった人が4枚まとめて取るので、残りの1枚が自分の手札にあれば、その3枚はあとで自分が取れます。
札の種類と名前のある札
4種類の札と、名前で呼ばれることの多い札です。
- タネ札(たねふだ)
10点のタネ札(種札)9枚のことで、萩に猪・梅に鶯・菊に盃などがあります。どれでも5枚で役「タネ」(1点、6枚目から1枚ごとに+1点)になり、萩に猪・紅葉に鹿・牡丹に蝶の3枚で猪鹿蝶になります。
- 短冊(たんざく)
5点の短冊札10枚のことです。文字の書かれた赤い短冊(赤短)3枚、青い短冊(青短)3枚、文字のない赤い短冊4枚があります。どれでも5枚で役「タン」(1点、6枚目から1枚ごとに+1点)になります。
- カス札(かすふだ)
1点のカス札(素札)24枚のことです。ほとんどの月に2枚ずつあり、11月は柳のカス(雷)の1枚、12月の桐は3枚です。どれでも10枚で役「カス」(1点、11枚目から1枚ごとに+1点)になります。任天堂のルールでは菊に盃もカスとして数えますが、このゲームでは数えません。
- 芒に月(すすきにつき)
8月の光札「芒に月」。芒の丘に昇る満月が描かれています。黒い丘が坊主頭に見えることから「坊主」とも呼ばれます。光札の役のほか、菊に盃と合わせて月見で一杯になります。
- 柳に小野道風(やなぎにおののとうふう)
11月の光札「柳に小野道風」。番傘を手にした平安時代の書家・小野道風(おののとうふう。「みちかぜ」とも読みます)と、柳に飛びつこうとする蛙が描かれています。「雨」とも呼ばれ、このゲームの表示も「雨」です。三光・四光には数えず、雨四光と五光にだけ入ります。
- 菊に盃(きくにさかずき)
9月のタネ札「菊に盃」。「寿」の字が入った朱塗りの盃と菊が描かれています。桜に幕と合わせて花見で一杯、芒に月と合わせて月見で一杯になります。任天堂のルールではカス札としても数えますが、このゲームではタネ札としてだけ数えます。
役
点数になる組み合わせと、その札です。
- 手役(てやく)
配られた手札だけでできる役で、打ち始める前に確かめます。こいこいの手役は手四(てし)とくっつきの2つで、どちらも6点、その回はすぐに終わります。このゲームでは2人とも手役があるときは親の手役を数えますが、どちらにも点を入れないルールもあります。
- 雨四光(あめしこう)
柳に小野道風と、ほかの光札3枚で7点です。任天堂のルールのように7点以上で2倍にする場合は倍になりますが、8点以上で2倍のこのゲームでは7点のままです。
- 花見で一杯(はなみでいっぱい)
桜に幕と菊に盃の2枚で5点で、「花見酒」とも呼ばれます。雨流れで無効にしたり、役として使わなかったりするルールもありますが、このゲームでは常に数えます。
- 月見で一杯(つきみでいっぱい)
芒に月と菊に盃の2枚で5点で、「月見酒」とも呼ばれます。桜に幕もそろえば花見で一杯と合わせて10点になり、このゲームの「8点以上で2倍」で20点になります。
- 猪鹿蝶(いのしかちょう)
萩に猪・紅葉に鹿・牡丹に蝶の3枚で5点、ほかのタネ札1枚ごとに+1点です。このゲームではタネの役も一緒に数えますが、任天堂の役一覧では猪鹿蝶ができるとタネは無効です。
- 赤短(あかたん)
松・梅・桜の、文字が書かれた赤い短冊3枚で5点、ほかの短冊1枚ごとに+1点です。松と梅の短冊には「あかよろし」、桜の短冊には「みよしの」と書かれています。
- 赤短・青短の重複(あかたん・あおたんのちょうふく)
赤短3枚と青短3枚の6枚で10点、ほかの短冊1枚ごとに+1点です。赤短・青短を別々に数える代わりにこの役で数え、「ぶっく」とも呼ばれます。
点数の数え方
1回ごとの点数の数え方、倍付け、倍率です。
- 倍付け(ばいづけ)
点数の高い回に得点を2倍にすることです。任天堂のルールや日本で一般的なルールでは合計7点以上で2倍ですが、このゲームでは8点以上で2倍になります(部屋の設定で、初期設定はオン。オフにもできます)。
- こい返し(こいがえし)
相手がこいこいしたあとに自分が役を作って勝つと、得点が2倍になるルールです(倍返し、こい被りとも)。任天堂のルールもこの形です。このゲームでは代わりに、どちらのこいこいでも1回ごとに共通の倍率が1つ上がり(1回で×2、2回で×3)、その回の勝者の得点にかかります。
このゲームで採用していないローカルルール
ほかの場で出会うことのあるルールです。このゲームでは採用しておらず、代わりにどうなるかを各項目に書いています。
歴史と関連する遊び
花札のもとになった昔のかるたや遊び方と、海外の花札です。
- 花合わせ(はなあわせ)
3人で遊ぶ花札の遊び方で、取った札の点数(20・10・5・1点)と役の点数の合計を競います。任天堂は、2人用のこいこい、3人用の八八と並べて遊び方を紹介しています。
- 八八(はちはち)
「八十八」とも書く、3人で遊ぶ花札の遊び方です。札の点数の合計は264点で、3人で分けた88点が1人の基準点になります。明治時代に大流行し、今の標準的な図柄「八八花(はちはちばな)」もこの遊びとともに全国に広まりました。
- めくりカルタ
江戸時代に賭博に使われた48枚のカルタと、その遊び方です。天正かるたの流れをくみ、明和から安永年間(1764〜1781年)に大流行しましたが、寛政3年(1791年)に売買が禁じられました。花札はその代わりとして生まれたとするのが通説ですが、異論もあります。
- 天正かるた(てんしょうかるた)
天正年間(1573〜1592年)ごろ、ポルトガルのカードをまねて作られた国産のカルタです。4種の紋標に各12枚の計48枚で、花札が48枚なのはその名残と考えられています。「天正かるた」という名前は、後の時代に付けられたものです。
- うんすんカルタ
天正かるたから生まれた、5種の紋標に各15枚、計75枚のカルタです。1681年の文献に見え、福の神「ウン」などの絵札が加わっています。熊本県人吉市では今も遊び方が受け継がれています。
- 株札(かぶふだ)
おいちょかぶなど「カブ」系の遊び方のためのかるたで、天正かるたの流れをくみ、紋標は1種類だけです。おいちょかぶでは札の合計の一の位が9に近いほど強く、花札で遊ぶときは札の月を数として使います。任天堂も花札と並べて株札を販売しています。
- ゴーストップ
韓国の花札(花闘)でもっとも盛んな遊び方で、続けるときは「ゴー」、やめるときは「ストップ」と宣言します。1960年代に生まれ、こいこいをもとにしたゲームとされる一方、現代のこいこいのルールが逆にゴーストップの影響を受けたとする説(江橋崇氏)もあります。
- シカト
人を無視することを意味する俗語で、10月の「紅葉に鹿」の鹿がそっぽを向いていることから、「鹿十(しかとお)」が語源といわれます。広く知られた説ですが、確かな裏づけがあるわけではありません。
参考文献
- こいこい|花札の歴史・遊びかた、任天堂、任天堂のこいこいのルールと役一覧
- 歴史・遊びかた|花札・株札、任天堂、花札の遊び方とプレイ人数
- こいこい、コトバンク(精選版 日本国語大辞典ほか)、名前の由来
- 花札、ウィキペディア日本語版、場の用語、基準点、花闘
- こいこい、ウィキペディア日本語版、一般的なルールとローカルルール
- Koi-Koi、Fuda Wiki、月札・親権・雨流れなどのバリエーション(英語)
- Gamehelpkoikoi、Board Game Arena、11月の札を取ると花見酒・月見酒が無効になるルール(英語)
- 天正かるた、ウィキペディア日本語版、天正かるた、めくりカルタ、株札
- うんすんカルタ、ウィキペディア日本語版、うんすんカルタ
- 一杯一杯の財政とこっぱい税、国税庁 税務大学校、1902年の骨牌税
- Nintendo、ウィキペディア英語版、任天堂の創業と「Nintendo Koppai」の名(英語)
- Go-Stop、ウィキペディア英語版、ゴーストップとこいこいの関係(英語)