光札の役: 五光・ 四光・ 雨四光・ 三光
最終更新日:
光札(ひかりふだ)は、花札48枚のうち「松に鶴」「桜に幕」「芒に月」「柳に小野道風」「桐に鳳凰」の5枚です。3枚以上集めると光札の役になりますが、数えるのはそのうち点数の高い役ひとつだけです。5枚すべての五光(ごこう)が10点、雨(柳に小野道風)を除く4枚の四光(しこう)が8点、雨を含む4枚の雨四光(あめしこう)が7点、雨を除く3枚の三光(さんこう)が5点です。雨を含む3枚では役になりません。
松に鶴まつにつる1月・光札・20点 桜に幕さくらにまく3月・光札・20点 芒に月すすきにつき8月・光札・20点 柳に小野道風やなぎにおののとうふう11月・光札・20点 桐に鳳凰きりにほうおう12月・光札・20点
光札5枚
光札は各月でいちばん格の高い札で、1月(松)・3月(桜)・8月(芒)・11月(柳)・12月(桐)に1枚ずつあります。花合わせや八八では20点札として数えますが、こいこいでは札そのものの点数は使わず、そろえた役の点数だけを数えます。
| 札 | 月・花 | 数える役 |
|---|---|---|
| 松に鶴まつにつる | 1月・松 | 三光・四光・雨四光・五光 |
| 桜に幕さくらにまく | 3月・桜 | 三光・四光・雨四光・五光 |
| 芒に月すすきにつき | 8月・芒 | 三光・四光・雨四光・五光 |
| 柳に小野道風やなぎにおののとうふう | 11月・柳 | 雨四光・五光 |
| 桐に鳳凰きりにほうおう | 12月・桐 | 三光・四光・雨四光・五光 |
「柳に小野道風」は「雨」とも呼ばれ、三光と四光には入りません。11月には雷を描いた「柳のカス」もありますが、こちらはカス札で光札ではなく、カスの1枚として数えます。
点数:このゲームと任天堂ルール
光札の役の点数は、任天堂が公開しているこいこいの役一覧と同じです[1]。違いが出るのはその後の倍付けです。任天堂のルールをはじめ、日本で広く遊ばれているルールでは役の合計が7点以上なら2倍にしますが[1][2]、このゲームは8点以上で2倍です(部屋の設定で、初期設定はオン)。光札の役でこの差が効くのは雨四光だけです。
なお、昔ながらの数え方では点のことを文(もん)と呼び、「五光は10文」のようにいいます。
| 取り札 | このゲーム | 任天堂のルール |
|---|---|---|
| 松に鶴・桜に幕・芒に月 | 三光5点5点 | 三光5点5点 |
| 松に鶴・桜に幕・芒に月・桐に鳳凰 | 四光8点8×2=16点 | 四光8点8×2=16点 |
| 松に鶴・桜に幕・芒に月・柳に小野道風 | 雨四光7点7点 | 雨四光7点7×2=14点 |
| 光札5枚すべて | 五光10点10×2=20点 | 五光10点10×2=20点 |
| 柳に小野道風・松に鶴・桜に幕 | 役なし0点 | 役なし0点 |
光札の役はひとつだけ数える
光札の役どうしは足し算しません。雨を除く光札4枚なら四光の8点で、三光の5点は加えないので、4枚目の光札で増えるのは3点、5枚目でさらに2点です。アシスト表示がオンなら、札を取る前に「四光が成立(三光に代わる)、+3点」と表示されます。雨を取って点数が下がることもありません。ほかの光札2枚とでは役になりませんが、3枚か4枚とそろえば2点増えます(雨四光7点、五光10点)。
一方、光札の役とほかの役は足し算で、1枚の札を複数の役に数えられます。「桜に幕」と「芒に月」は「菊に盃」と組んで花見で一杯・月見で一杯にもなります。
- 「松に鶴」「桜に幕」「桐に鳳凰」と「菊に盃」:三光5点+花見5点。合計10点なので2倍になり、10×2=20点です。
- 「柳に小野道風」「松に鶴」「芒に月」「桐に鳳凰」と「菊に盃」:雨四光7点+月見5点で、12×2=24点です。
- 光札5枚と「菊に盃」:五光10点+花見5点+月見5点で、20×2=40点。ただし負けた側が支払うのは残りの持ち点までです。持ち点は各25点から始まるので、この1回で対戦が終わることもあります(持ち点25点のしくみ)。
光札の役とこいこい
三光だけなら5点で、2倍になる8点には届きません。ここで勝負すれば5点です。こいこいして雨以外の光札をもう1枚取れば四光の8点になり、8点以上で2倍、こいこい1回で2倍、8×2×2=32点です。こいこいの倍率は、その回にどちらかが宣言するたびに1ずつ上がり、最後に勝った側の得点に掛かります。相手が先に役を作って勝負すれば、あなたのこいこいは相手の得点を増やすことになります。判断の考え方はこいこいの勝ち方で解説しています。
柳に小野道風:蛙と書の名人
番傘をさした装束姿の人物と小川、柳の枝、そして枝に飛びつこうとする蛙。人物は平安時代の能書家・小野道風(894〜966)で、花札では「おののとうふう」と読むのが一般的です。書の上達に悩んでいた道風が、何度も柳に飛びつく蛙を見て努力の大切さに気づいた、という逸話が題材です。ただし史実かどうかはわからず、広まったのは1754年初演の浄瑠璃『小野道風青柳硯』からとみられています[5]。
花札の図柄としては新しいほうで、江戸時代の札には雨降り小僧という妖怪が描かれ、人々はそれを『仮名手本忠臣蔵』の盗賊・斧定九郎と見ていました[6][10]。明治19年(1886年)ごろ、花札が公に売れるようになるのにあわせて小野道風に描き替えられたと伝えられています[6]。柳の札は「雨」とも呼ばれ、雨四光の名もここから来ています。多くの花札の遊びで雨は格下の光札として扱われ[4]、こいこいでも三光・四光には入りません。ほかの呼び名は用語集にまとめています。
ほかの4枚の絵柄
光札にはそれぞれ別名があり、松に鶴は日光、桜に幕は春光、芒に月は月光、柳に小野道風は雷光、桐に鳳凰は星光とも呼ばれます[6]。
光札を狙うときのコツ
- 5つの月に注目する。光札は1月・3月・8月・11月・12月の札です。場に出た光札は、同じ月の札を手札から出すか山札からめくれば取れるので、取り合いになります。
- 相手の光札を数える。三光と四光は雨以外の4枚から作り、三光には3枚が必要です。相手がそのうち2枚を取った時点で、あなたはこの回、三光も四光も作れません。五光は相手が光札を1枚でも取ればなくなります。アシスト表示がオンなら、相手の役を止める取り方には「阻止」と表示されます。
- 雨は取れるときに取る。自分の光札の点数を上げることはあっても下げることはなく、相手の雨四光と五光も防げます。
- 山札は全部めくられない。各回戦でめくる山札は、24枚のうち多くても16枚です。まだ見ていない光札が、最後まで山札に残ることもあります。
光札の役のローカルルール
光札の役の点数は、ルールによって違います。
- 五光を15点とするルールも多く、Fuda Wikiは15点が一般的な値だとしたうえで、任天堂の10点も紹介しています[3]。
- 三光を6点、四光を10点、雨四光を8点とするルールや、雨四光を役として採用しないルールもあります[2]。
- 八八にならい、配ったときに場に光札があるとその回の点数を倍にする遊び方もあります[3]。
このゲームの役の点数は任天堂の役一覧と同じで、部屋の設定でも変えられません。ほかの代表的なローカルルールはローカルルールのページで比べています。
よくある質問
柳に小野道風は三光に入らないのですか?
入りません。三光は雨以外の光札3枚と決まっていて、任天堂の役一覧も同じです[1]。雨は、ほかの光札3枚と合わせた雨四光(7点)か、5枚そろえた五光(10点)でだけ数えます。
雷の札(柳のカス)は光札ですか?
いいえ、柳のカス札です。カス10枚で1点の「カス」に数え、光札の役には入りません。
参考文献
- こいこい|花札の歴史・遊びかた、任天堂、役の点数、7点以上の倍付け、こいこいのルール
- こいこい、ウィキペディア日本語版、一般的なルールと別の点数
- Koi-Koi、Fuda Wiki、五光15点、ローカルルール
- Willow、Fuda Wiki、柳の札と雨の扱い
- 小野道風、ウィキペディア日本語版、蛙の逸話と浄瑠璃『小野道風青柳硯』
- 花札、ウィキペディア日本語版、光札の別名、11月の光札の描き替え(江橋崇『花札』2014年による)
- 花札の謎シリーズ!1月札『松に鶴』、大石天狗堂(京都のかるた製造元)
- 花札の謎シリーズ!8月札『芒に月』(山に月)、大石天狗堂
- 花札の謎シリーズ!12月札『桐に鳳凰』、大石天狗堂
- 花札の謎シリーズ!11月札『柳に小野道風』、大石天狗堂
- 花札の謎シリーズ!3月札『桜に幕』前篇、大石天狗堂